今回は、自分個人や会社の独自ドメインを取得するメリットとその方法について解説します。独自ドメインというのはこのサイトでいうと「ino-shika-cho.com」になります。ドメインを取得すると月額数千円〜1万円程度の費用がかかってしまいますが、(ほぼ無料のドメインもありますが)取得するメリットは非常に大きいです。
1.独自ドメインを取得するメリット
1.1.ビジネスとして信頼される
まずメリットとして挙げられるのが、独自ドメインを取得していると、ビジネスパートナーに信頼されるということです。
例えば、Face to Faceの場合、名刺を持っていない相手では、相手のことを信頼できず、仕事なんてできないと思います。
これと同じように、独自ドメインを利用しているということは、インターネットの世界で自分が何者かを示す一種の名刺がわりになっています。
仕事で「GmailやYahooのフリーメールなどを利用している」=「完全に信頼できない」ということではないのですが、名刺がわりである独自ドメインすら持っていないとやはり十分な信頼を得ることは難しくなってくると思います。
さらに最近では、フィッシングサイトや迷惑メールなど、インターネット上の犯罪に対しての警戒感が非常に高まっています。こういった犯罪行為とは関係ないことを示す上でも、独自ドメインの方が信頼感を与えやすくなる傾向にあります。(もちろん独自ドメインだから完全に安全とも限りません。)
1.2.ブランド化できる
ドメインに「会社」や、「サービス」の名前などを利用することで、利用者に対してその名前をアピールすることができます。いろいろな場面でそのドメインが使われることで、利用者のドメインに対する認知度が増し、ブランディングに役立ちます。
例えば、日本で最も有名なWebサイトの1つ、Yahoo Japanのホームページのドメインは「https://www.yahoo.co.jp」です。もしサイトの中身を知らなくてもこのURLをみるだけで、
- 「.co.jp」とついているから日本のサイトと感じる
- 「yahoo」というサービスに関連していると感じる
- 「www」で、インターネット上の一般サービスと感じる
など利用者の心理を誘導する様々な恩恵があります。もしこれが例えば、Yahooのサービスなのに全く違う名前、「https://main.qwerujmyhn.work」みたいな適当な文字列のURLでは、これが何を指しているのか利用者に全く認知されないですよね。
また、独自ドメインは取得してしまえば、「世界で1つだけのもの」になります。他と差別化できるという意味でも独自ドメインを取得するメリットがあります。
1.3.独自のメールアドレスを持てる
独自ドメインを取得すると、そのドメインを使ったメールアドレスを作成できます。例えば「ino-shika-cho.com」であれば、「〇〇@ino-shika-cho.com」のメールアドレスが作成できます。
ビジネスとして利用する場合は、Webサイトアドレスとメールアドレスが同じなためさらに「信頼感」や「ブランド認知度」の向上に繋がります。
また、もちろん同一ドメインで複数のメールアドレスを利用することもできるため例えば、
- 社員の名前@会社のドメイン:会社の社員であることがわかる
- info@会社のドメイン:会社の問合せ先であることがわかる
- press@会社のドメイン:広報用の問い合わせ先であることがわかる
など様々なメリットがあります。
1.4.ドメインを資産として育てられる
これはSEO上の効果の話ですが、ドメインを持っていると検索エンジンに対してもブランド化ができます。
検索エンジンが行う、SEOにおける評価はドメインと結びついています。例えば、あるブログサービスのドメインを利用して、ブログなどの記事を書いていた場合、そのサービスが完全に終了して、記事などのコンテンツも消えてしまえば、それまでの積み重ねは一瞬で無かったことになってしまいます。
一方で、独自ドメインを利用していた場合、利用していたブログサービスが終了したとしても、独自ドメインは残り続けます。そのため、このドメインを使って再度ブログを新しく作ったり、コンテンツを作り続ければ、以前のSEO評価をある程度引き継いで始めることができます。
また、レンタルサーバなどを利用していて、何かの事情で、レンタルサーバを変更する場合でも、独自ドメインは変更後のサーバに引き継ぐことができます。
そのため、対外的にはサーバの移転などが無かったように見えますし、そのドメインのコンテンツとして、利用者には認知されます。
2.ドメインの種類
ドメインにはいくつか種類があります。気軽に登録できるドメインもあれば、一定の審査が必要なドメインもあります。また、.comや.jpなどドメインの人気度によって月額料金などが変わってきます。
2.1.gTLD
gTLD(generic Top Level Domain)とは、分野ごとに分けられたトップレベルドメインのことで、国に関係なく誰でも取得が可能です。JPNICのサイトを一部引用して、特に昔から利用されているものとして下記を紹介します。
ドメイン名 | 用途 | 登録対象 |
com | 商業組織用 | 世界の誰でも登録可 |
net | ネットワーク用 | 世界の誰でも登録可 |
org | 非営利組織用 | 世界の誰でも登録可 |
edu | 教育機関用 | 米国教育省公認の認定機関から認可された教育機関 |
gov | 米国政府機関用 | 米国政府機関および認定インディアン部族 |
mil | 米国軍事機関用 | 米国軍事機関 |
int | 国際機関用 | 国際機関 |
info | 制限なし | 世界の誰でも登録可 |
biz | ビジネス用 | ビジネス利用者 |
name | 個人名用 | 個人 |
pro | 弁護士、医師、会計士、 エンジニア等用 |
弁護士、医師、公認会計士。およびそれらの分野のサービスを提供する組織 ※2004年11月8日より、登録対象としてエンジニアが追加された ※ 2015年11月16日より、世界の誰でも登録可となった |
museum | 博物館、美術館等用 | 公共の博物館、美術館、科学館、植物園、動物園等。 およびそれらの施設に勤務する専門職員 |
aero | 航空運輸業界用 | 航空運輸業界の組織および個人 |
coop | 協同組合用 | 協同組合およびその下部組織 |
2013年10月以降は、新gTLDも追加され、地名や分野名、企業名、商品名などに関連のあるドメインが取得できるようになっています。
2.2.ccTLD
ccTLD(Country Code Top Level Domain)とは、国や地域ごとに割り当てられたトップレベルドメインのことです。「.jp(日本)」「.us(米国)」「.uk(イギリス)」「.fr(フランス)」などがあります。
3.取得方法
一部のドメインを除き、一般向けにドメインを販売しているサイトがあるのでそういったサイトを利用することで、誰でもドメインを取得することができます。例えば下記のサイトなどで、取得が可能です。
4.DNSレコードの設定
ドメインの取得ができたら、取得した管理サイトでDNSレコードの設定を行うことで、実際に利用することができます。代表的なものとして、例えば下記のような設定項目があります。
- Aレコード:IPv4アドレスとの関連付けを行うレコード
- AAAAレコード:IPv6アドレスとの関連付けを行うレコード
- CNAMEレコード:正規ホスト名に対する別名を定義するレコード
- MXレコード:対象ドメイン宛のメールサーバのホスト名を定義するレコード
- NSレコード:ネームサーバーのサーバー名を定義するレコード
- CAAレコード:SSL証明書を第三者が発行することを防止するためのレコード
全てを必ず利用する必要はなくて、設定したい項目を選んで利用します。
例えば、自分のブログサイトが乗っているサーバーのIPアドレスが仮に「2.2.2.2」だとした場合、Aレコードに「2.2.2.2」をしているすことで、ブログサイトで独自ドメインを利用することができます。