【始めるべき?】NISAとつみたてNISAのメリットを徹底比較

【始めるべき?】NISAとつみたてNISAのメリットを徹底比較

昨今の不安定な世界情勢の中、将来に備えて自身の資産をどう守っていくかを考えることは非常に大切です。

貯金、定期預金、保険など様々な方法はありますが、投資を行うことも一つの選択肢となります。投資が怖いと思っている人は、投資とギャンブルの違いについて下記で解説していますので是非ご覧ください。

世の中の経済状況などによって損益が出てしまうことももちろんありますが、正しく投資を行うことに関しては長年に渡って確立された正しい理論があり、確実に資産を増やしていくことができます。

投資を行うためには証券会社などに口座を開設する必要があります。普通の口座を利用しても良いのですが、まだ利用していない人はNISA or つみたてNISAの制度を利用すると非常にお得なので是非活用しましょう。今回はNISAとつみたてNISA比較について解説を行います。

1章に実際に運用した場合の想定試算の比較も載せていますので、是非参考にしてみてください。

1.なぜ始めるの?

1.1.最大のメリットは利益が非課税になる

NISAは、金融庁が個人の長期積立投資を活発化させるためにもうけた非課税制度です。多くの人が投資を行うことで、投資された企業などは潤沢な資金を利用して事業拡大することができます。また、投資を行って資産を蓄えることで国民の生活が豊になれば、景気もよくなります。

株式を例にすると株式を保有することで下記の2つの利益を得ることができます。

  • 配当益:株式や投資信託の保有量に応じて数%程度定期的に受けとることができる配当金による利益
  • 売却益:売却時価格 − 購入時価格の差額の利益

普通の証券口座で株式などで利益を得た場合、利益に対して下記の税金がかかります。

  • 所得税15%
  • 復興特別所得税0.315%(2037年までの期間限定)
  • 住民税5%

期間限定なのに2037年までって長すぎでしょ!というツッコミもありますが、いずれにせよ利益に対して合計で20.315%の税金というのは非常に負担が大きいです。

例えば100万円の利益があっても手元に残るものは80万円になってしまいます。一方でNISA口座で取引した場合はその分の税率が一定の条件付き、期間限定で0%になるという素晴らしい制度になります(図1)。

図1:NISA or つみたてNISAを利用した場合の手元に残る利益
図1:NISA or つみたてNISAを利用した場合の手元に残る利益

1.2.注意事項(デメリット)

基本的にはNISA、つみたてNISAを始めることにデメリットはありません。安心して始めてください。ただし始めるに当たっての注意事項はありますので紹介します。

1.2.1.どちらか選ばなくてはいけない

1人につき、NISA口座orつみたてNISA口座のどちらかしか開設することができません。どちらもメリットがある制度ですが、自分にとってどちらの制度がより最適かをきちんと理解した上で口座を開設することをおすすめします。

1.2.2.複数の口座を開設することができない

SBI証券やマネックス証券などの大手証券会社などでNISA口座を開設できるのですが、複数口座を開設したり、複数の証券会社で口座を開設することはできません。どの証券会社で口座を開設するか決める必要があります。(※口座開設後に手続きを行えば移管することは可能です。)

1.2.3.口座開設のタイミング

基本的にはいつ口座を開設しても問題ありませんが、年末に近ければ年内に非課税枠の上限まで投資ができるのか(例えばつみたてNISAであれば40万円)を気にしてみましょう。

年内に非課税枠を使いきれない場合、非課税枠の年数が1年無駄になってしまうので、翌年に口座開設するなどの判断をしても良いかもしれません。

1.2.4.非課税のタイミング

売買の約定タイミングと非課税枠として適用されるタイミングでは、5営業日程度のタイムラグがあります。年内に非課税枠として適用されないと、翌年の枠になってしまいますので、特に年末ギリギリの売買については注意する必要があります。

1.3.どのくらいお得なの?

さて、NISAやつみたてNISAの細かい説明をする前に、みなさんのやる気を出すためにつみたてNISAをやるとどのくらいお得なのかをまずは説明します。

現在つみたてNISAで人気商品「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」が目指すS&P500指数を利用して、もし2000年〜2020年に投資を行っていたらどうなっていたかを試算してみました。(図2)

投資しなかった場合、普通の課税口座で投資した場合、つみたてNISAで投資した場合の3パターンで試算しています。結果は一目瞭然で、つみたてNISAを利用した場合、投資元本の以上の手取りの利益が得られることがわかります。

このことからつみたてNISAを利用して、非課税になることがどれだけお得であるか分かっていただけるのではないかなと思います。

図2:つみたてNISAを20年利用した場合の想定利益試算
図2:つみたてNISAを20利用した場合の想定利益試算

2.(現行)NISA

ここからまずはNISAについて解説します、NISAから知ると違いが理解できて理解が深まりますが、あまりリスクを取りたくない投資初心者の方にはつみたてNISAがおすすめですので、4章を確認していただければと思います。

2.1.年間拠出上限が120万円、非課税期間5年

NISAの最大の特徴は、年間上限で120万円の範囲内で購入した金融商品から得た利益(売却益と配当利益)は非課税にできることです。

一方で非課税で購入できる期間は5年と少し短いです。そのため、非課税で投資できる元本の総額は120万円×5年の600万円になります。

ただし、保有についてはロールオーバーという制度があり、保有している金融商品を翌年の非課税投資枠に移すことができます。移せる金額に上限はありません。ロールオーバーの制度を利用することにより、将来値上がりが期待できる商品に関しては5年以上非課税枠で保有し続けることができます(図3)。

投資資金が豊富にあり、年間に120万円の商品を購入できる人におすすめです。

図3:NISAの保有期間・ロールオーバーに関する金融庁の説明資料
図3:NISAの保有期間・ロールオーバーに関する金融庁の説明資料

2.2.豊富な商品を選べる

後に紹介するつみたてNISAと異なり、NISAでは売買できる商品が豊富です。下記はNISAで対象となる金融商品の例となります。

図4:NISA対象商品に関する金融庁の説明資料
図4:NISA対象商品に関する金融庁の説明資料

個別株やより騰落率の高い商品を購入できるので、インテックス型の投資信託などよりも上の運用成績を狙うことのできる投資の経験が豊富な人におすすめです。

2.3.出口戦略(ロールオーバー)

 一般NISAは非課税期間が5年なので、非課税期間5年終了時に出口戦略として、NISA口座で保有している株式等をどのようにするか下記の3つのパターンから決める必要がありました。

  1. 特定口座などの課税口座に移管(何も手続きしないと)
  2. 新たなNISA枠にロールオーバーする
  3. 売却

ただし、2023年で現行のNISA制度は終了になりますので、今からNISAを始める人は現行NISAから新NISAにロールオーバーする方法一択になりそうです。5章の新NISAで解説します。

3.つみたてNISA

現行NISAが始まった最初の目的は一般の人も安全に投資して欲しいという金融庁からのメッセージでした、しかし実際のNISAの利用のされ方は

  • 短期売買などに利用される
  • 120万円も運用できない
  • 5年間はつみたてで十分な利益を得るには短すぎる期間

など色々と目的に沿わない制度でもありました。そこでより初心者向けに始まったのがつみたてNISAの制度です。

3.1.上限が40万円、非課税期間20年

つみたてNISAでは、年間上限で40万円の範囲内で購入した金融商品から得た利益(売却益と配当利益)は非課税にできます。

一方で非課税で購入できる期間は20年とNISAと比較して長いです。そのため、非課税で投資できる元本の総額は40万円×20年の800万円になり、NISAよりも多くなります。

ただし、NISAで利用できたロールオーバーは利用することができません。
非課税期間の20年間が終了した後は、課税口座(一般口座や特定口座)に払い出されます。

現在の制度では、つみたてNISAで金融商品を購入できる最後の年は、2037年まで、保有できるのはその後20年間で2056年までとなっています。ただし、この制度は改定される予定で、2042年まで5年延長されます。

2章の試算結果でも確認できたように、つみたてNISAは長期間コツコツと少しづづの資金で投資して、長期的に資産を形成したい人におすすめです。

図5:つみたてNISAの保有期間に関する金融庁の説明資料
図5:つみたてNISAの保有期間に関する金融庁の説明資料

3.2.投資信託が基本、厳選された商品を安心して投資できる

NISAと異なり、金融庁の認可を受けた特定の投資信託のみが購入可能です。購入できる商品が制限されてしまうデメリットはあるものの、認可を受けている信頼できる商品のみが選択可能なため、投資初心者の人でも安心して投資することが可能です。

また、短期売買を繰り返すのではなく、長期的に積立運用していくことしかできないようになっているため、安心して運用することができます。

4.新NISA

新NISAは現行NISAの制度が2023年までなので2024年〜計画されている制度です。2020年に概要案がまとまったばかりなので、今後変更になる可能性があります。

2023年に現行NISAの新規投資枠が終了するのに伴い、新NISAが2024年からスタートします。投資できる期間が5年延長され2028年までとなります。

4.1. 新NISA制度の概要

新NISAが現行NISAと大きく違う点は2階建ての仕組みとなる点です(図6)。

4.1.1 1階部分

つみたてNISAの対象商品のみを購入することが可能です。非課税枠は年間で20万円までで、買い方はつみたてのみです。

4.1.2 2階部分

現行の一般NISAの対象商品を購入できます。(日本・外国上場株式株式、投資信託、ETF、REITなど)非課税枠は年間102万円までで、一括購入もつみたて購入のどちらも選択することが可能です。

図6:現行NISAと新NISAの比較
図6:現行NISAと新NISAの比較

4.2.「2階」から投資する必要がある

今のところあまり影響はなさそうなのですが、「1階」、「2階」を利用するにあたり、原則、「1階」(つみたてNISA対象商品の積み立て)を利用しないと、「2階」の投資することができないようです。

一般NISAを利用していた人や投資経験者は「1階部分」を利用しないことを証券会社等に届け出れば、「2階部分」のみ利用することもできるようです。ただし、2階部分のみを利用する場合下記のような制約があります。

  • 投資できるのは個別株のみ。株式投信やETF、REITなどの投資は不可
  • 年間の非課税枠の上限は「2階」の102万円まで

ですので、あまり「2階」だけにこだわるメリットはなさそうです。

4.3.現行NISAからの移行(ロールオーバー)

現行NISAから、新NISAに移行する場合、移行の金額によって追加投資の方法が変わります。(図7)

4.3.1.新NISAの枠(122万円)以上ロールオーバーする場合

 一般NISAを利用している人は、新NISAの投資枠122万円を超えていても全額ロールオーバーすることができます。ただし、その場合は新NISAで追加投資を行うことはできません。

4.3.2.新NISAの枠(122万円)以下、「2階枠」(102万円)以上ロールオーバーする場合

新NISAの投資枠122万円に収まり、「2階枠」(102万円)以上ロールオーバーする場合、「2階枠」の追加投資は不可となり、「1階枠」のみ追加投資が可能です。

4.3.3.「2階枠」(102万円)以下でロールオーバーする場合

 「2階枠」(102万円)以下でロールオーバーする場合、ロールオーバー後も「1階枠」、「2階枠」共に追加投資が可能です。新NISAを利用する場合のルールで、まず「1階」を利用してから「2階」を使うというものがあるので、この場合も、つみたて投資を行った上で、2階の102万円枠を使うという順番になります。

図7:現行NISAから、新NISAへの移行パターン
図7:現行NISAから、新NISAへの移行パターン

4.4.新NISAの出口戦略(「1階」はつみたてNISAにロールオーバー可能)

「1階」は、新NISAの非課税期間終了時に「つみたてNISA」にロールオーバーすることが可能になりそうです。その際、「1階」を上限の20万円つみたて投資をしている場合、時価評価額がいくらになっていても、つみたてNISAに移管する際には20万円とされ、つみたてNISAの非課税枠は40万円/年ですので、追加で20万円新規で投資できることになりそうです。

5.比較まとめ

各制度の違いをまとめておきます。

NISA 新NISA つみたてNISA

非課税枠

120万円/年 122万円/年 40万円/年

期間

最長5年間 最長5年間 最長20年間

口座開設期間

2023年まで 2024年〜2028年

2037年まで(2042年まで延長予定)

非課税投資総額

最大600万円 最大610万円 最大800万円
対象商品(予定) 上場個別株式、投資信託、ETFなど 1階:つみたてNISA商品
2階:NISA商品
一定の要件を備えた投資信託など
ロールオーバー 不可
おすすめする人
  • 投資資金が豊富にあり、年間に120万円の商品を購入できる人
  • インテックス型の投資信託などよりも上の運用成績を狙うことのできる投資の経験が豊富な人。
  • 投資初心者の人
  • 少しづづの資金で投資して、長期的に資産を形成したい人
対象者 日本在住で20歳以上(口座開設時)

必要書類
  • 本人確認書類
  • マイナンバー
金融機関変更 可能(金融機関などでNISA口座の開設が必要)
払出期限 なし

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